むたくんの家 (新築) 木造在来工法

ハウス オブ ポタリーの長年の友人のむたさんご夫妻から新築のご依頼をいただいたのは2009年の夏の終わりでした。 
おふたりのライフスタイルをよく存じ上げているのでこれはとても楽しいお仕事になることと喜んでお引き受けいたしました。


@土地下見

南側に私道を持つ長方形の形の良い敷地です。 写真を撮った日は曇っていましたが
西側に丹沢山脈の連なりが見えます。
敷地の西側は小さな道に面しており
小道の先に小川が流れています。
この小さなアプローチもこの土地の魅力
のひとつでした。


APlanning:

土地が決まってからどんな家を建てるかプランニングが始まりました。一番楽しい時期です。

入口や階段の位置を変えるだけで何パターンもの
プランが出来上がります。納得がいくまで繰り返し
打ち合わせをし22パターンの異なるプランから一番
良いものが出来上がりました。
待ちくたびれて眠ってしまいました。
いつもとてもお利巧に待っていてくれました。
大工さんの棟梁とも打ち合わせ。
どのような材料を使うか相談しました。


B地鎮祭 2009年12月

土地を購入し早速地鎮祭をいたしました。
前日までは曇がちでとても寒かったのに
当日は晴天の上、気温も20度近くまで
上がりました。
早速お施主様から順番に玉櫛(お榊)を
献上いたします。
家族で順番にお参りです。 棟梁が工事の安全を願ってお清めされた
土地に鍬をいれます。
小さなゆうひちゃんもずっと良い子で
お付き合いしてました!


C地盤調査:2010年1月

基礎工事を始める前に地盤の調査をいたします。地盤は良好との結果がでました。



D基礎工事

地盤調査の結果が良好と出ましたので早速基礎工事にかかりました。

 家の外周に沿って根堀りをします。 底盤に配筋し、コンクリートを流し込みます。 基礎の立ち上がりに型枠と配筋をし、
アンカーボルトを入れてコンクリートを流し込みます。
型枠を外すときれいなコンクリートベタ基礎が表れました。
E上棟 2010年2月

大安吉日に上棟式が行なわれました。この日は朝から大工さん、鳶職人さん総勢7名で棟上を行ないました。

      
総勢7名の職人さんの力を合わせて、
てきぱきと組み上げられていきます。
基礎パッキンも土台の上、
すべてに入っています。
束石も型枠にコンクリを
流し込んでを作ります。
既成の束石は使用しません。
屋根下地も貼られ、天窓もつきました。
これで雨が降っても安心です。
上棟後は皆さんで工事の
無事を祈って乾杯です。
棟梁が祝詞を揚げてくださいました。
上棟の年月日とお施主様のお名前を書いた
上棟飾りを小屋裏に立ててもらいました。


F木工事及びその他工事

胴差しと管柱も金物で止められます。
こちらでは隅柱・管柱ともに120角の柱を
使用しているので立派です。
スジカイも入りました。 1階天井の軸組みです。
きれいですね〜。
天井を張るのがもったいないくらいです。
2階の天井です。
一部勾配天井になります。
化粧梁は養生してあります。
キッチン・洗面所・トイレの配管もしました。
見えない部分ですが位置出しなど大事です。

電気配線もしました。
1階天井裏にも断熱材入ってますね。
壁にも断熱材です。
スジカイもキレイに納まってます。
ここは準防火地域のため窓ガラスは網入りに
しなければなりませんがお施主様の希望で
透明強化ガラスを使用しました。
キッチン壁面の下地にボードを張ってもらいました。
これでどこにでも棚が作れます。
階段も出来ました。
全て無垢材で大工さんお手製です。


G外壁左官工事

外壁にラス紙が張られました。 下地終了。 外壁塗装終了。
これで足場がとれます。
外壁塗装が終了したと同時に
外壁への泥はね防止のため、
いぐさのござを大工さんが
引いてくれました。
これで梅雨の時期も壁が汚れず安心です。

to be continued


H下地色々

合板下地。
棚や鏡など重いものをを設置する時。
遮音下地。
1Fの外壁に面している部分とLDと
パウダールームの間にも設置します。
耐水PB。
水がかかる部分にはこれを設置します。
PB。
天井も壁も12mm使用です。


to be continued      

足場がとれて、外壁がお目見えです。
すっきりしました。
ちょこっと玄関もお見せしますね。
アンティークのドアがついて、
上部はRになっています。
左官屋さんがきれいに仕上げてくれました。
キッチンです。
天板と棚板は色が付きます。
仕上がりが楽しみです。
アンティークのマントルピースも設置されました。
この後、壁面を漆喰で仕上げます。


to be continued  

I内装色々

プライベートルームはクロスで仕上げます。
一面だけ違う色を使ったりします。
お嬢さんのお部屋の一面は
パステルピンクで塗装しました。
ホール・リビングは壁天井ともに
漆喰仕上げです。
コテ跡をのこさないようにしてもらっています。
キッチンはコンロ周りと窓下はタイルで、
後は漆喰仕上げです。
棚は萌黄色、天板は小豆色に塗装してあります。
これはどこでしょう??


to be continued

J進捗状況
だいぶ出来上がってきました。今日もちょこっとお見せしますね。
洗面所にシンクと鏡がつきました。
水栓はフィリップ・スタルクです。
ホビールームは一面だけ青のクロスを
張りました。
ホールからパントリーへのドアです。
アンティークでとてもかっこいいですよ!!
キッチンがほぼ完成しました。
あとは水栓とプレートシェルフがつきます。
2Fファミリールームの天井です。
化粧梁と束はそのままで、クロスで仕上げています。
天窓もついて明るい部屋になりました。
コンサバトリーの工事も始まりました。 骨組みが組み立てられていきます。
コンサーバトリィはスケルトンの建物なので仕上がりの
美しさは職人さんの腕にかかっています。
ホールからコンサーバトリィへの出入り口には
アンティークの扉がつきました。
キッチンにアンティークの照明がつきました。 無垢のパイン材の床がお目見えしました。
to be continued

K照明がつきました

イギリス製の外灯です。
雰囲気がありますね〜。
こちらにも外灯です。 キッチンとLDです。
お施主さんのセンスが反映されてますね。
ホールです。
ソケットに電球がついたシンプルなタイプです。
洗面所です。
分かりづらいかもしれませんが、
アンティークのキャンドル型ライトです。

Lコンサバトリー

準防火地域のため、使える材料に色々と制限がありましたが、大工さんが素敵に仕上げてくれました。

サッシが入りました。
外壁は左官と板金仕上げです。
棟飾りも大工さんが作ってくれました。 内部は塗装仕上げです。

to be continued

M完成まであと少しです!!

コンサバトリーの床にタイルが
貼られました。
残すは塗装だけです。
コンサバトリーからホールの入口です。
実際の色味のほうが素敵です。
階段室の物入れです。
こちらは見せる収納です。
ファミリールームにベンチがつきました。
天窓から光が差し込んできれいです。


to be continued

NConservatory
今まで防火・準防火地域でのコンサーバトリィは製作に規制が多くありコストも通常よりかかると思われていました。
今回大工さんとの共同制作でイギリスから直輸入したものに負けないほどデザイン性に優れ、既成のサッシを使ってリーゾナブルなお値段でコンサーバトリィを作らせていただきました。



玄関ポーチの階段も完成しました。
奥にコンサーバトリィが見えます。
準防火地域の規定に従い
強化ガラスのサッシが入りました。
窓の大きさや形も何度もプランをし
吟味をして入れました。
パントリー側からもコンサーバトリィが見えます。



O早春から大工さんを筆頭に総勢25名の職人さんたちの手で建てられた牟田邸もいよいよ完成の日を迎えました。

ゲートから玄関ポーチまでアプローチが
長いので外壁の中央にイギリスのランタンを
取り付けました。
変形ガラスを使用しているので
白い外壁に灯りが美しくちりばめられます。
入口では100歳のアンティークドァ
がお出迎えしてくれます。
玄関ホールに入ると3枚のドァがそれぞれの
個性を控えめに主張しながら並んでいます。
こちらはコンサーバトリィへの入口ドァです。
アンティークガラスの入った美しいドァです。
同じくホールからパントリーへ通じるドァ。
こちらもアンティークです。
玄関ドァを開けると正面にしつらえられた
シュークローゼットドァ。フランスの
田舎のイメージで作られました。
上部はハニカム型の網が入っています。


フルオープンのリビング。
シンメトリーに設置された窓の中央に
アンティークのマントルピースが作られました。
マントルピース側面は左官やさんにきれいに
漆喰で巻いてもらいました。
リビングとダイニングの中央に設置された
大きな扉が目を引きます。
バスルームへの入口です。
アンティークドァから北側はダイニングコーナーです。
奥に手作りのキッチンが見えます。


シンプルでお洒落なキッチン。
大きな壁面は下地が入っておりますので
どこにでもビスが打てます。
センスの良いお施主様ですので
今後のインテリアが楽しみです。
キッチンからパントリーへの入口。 パントリー内部の吊戸棚。
こちらも職人さんの手作りです。
パントリーから玄関ホールへ。
アンティークドァを開けると玄関へと通じています。


リビング中央に位置する階段室。
シンプルなアイアンのテスリが付けられました。
2階ランディングへ。ランディングは
ファミリールームになっています。
ファミリールーム中央の棚。
ベンチにも机にもなります。
ファミリールーム上部トップライトから
明るい光が落ちてきます。
吹き抜けなので天井が高く開放的な
空間になっております。
ファミリールームからそれぞれの居室へ。
子供室の一面だけ可愛いピンクに塗りました。


ご主人様のホビールーム。
牟田邸は壁仕上げを漆喰の白に統一
しておりますがこちらのホビールームと
子供室のみインパクトのある色を使いました。
子供室ロフトへ。 太い梁を使用したため通常よりロフトの位置が
高くなりました。
大工さん手製のテスリ子です。
無垢の松で作ってくれました。


玄関ホールに設置された
シュークローゼット内部です。
階段室の下なので天井が変形してます。
お嬢さんの手の届く位置にフックを付けました。
お帽子やかばんをここに掛けます。
フックの反対側。一番天井が高く取れる位置に
靴の収納のための棚を設置しました。
バスルーム内部もシンプルにすっきり仕上げました。 バスルーム内部からトイレへのドァ。
上部はアンティークの手描きの
ステンドガラスが入っています。

牟田邸は先日完了検査が終了し無事に完成いたしました。今は外構工事に取り掛かっております。
まだしばらく工事でお邪魔致しますので今後の牟田邸も皆様へご紹介させていただきます。どうぞお楽しみに。


Conservatory
コンサーバトリィの内部を紹介いたします


ホールからコンサーバトリィへ続きます。
床材をホールと同じものにしましたので
ホールが広く見えます。
コンサーバトリィの外部ドァは特注しました。
ネイビィブルーのシックなドァです。
フランスのアンティークの照明がつきました
明るく開放的な空間が出来上がりました。 ホールとコンサーバトリィをつなぐドァは
表と裏の色を変えました。
ドァはアンティークなので経年した
美しさが伝わります。



アンティークのアイアンゲートを入口に設置。
このゲートに合わせて全体を
シンプルにデザインしました。
ポストとインターホンが付きました。 アイアンゲートから長いアプローチを
通って玄関ポーチへたどり着きます。
母屋と一体になったコンサーバトリィ。 バックガーデンと母屋を結ぶ
アウトドァリビングです。


コンサーバトリィドァのシックな
ネイビィブルーがとてもエレガントに
納まっております。
コンサーバトリィの外部ステップ。
内部と同様のタイルを使用しました。
同じタイルでも乱張りにすると表情が変化しますね。
コンサーバトリィ内部にもイスや
テーブルが入りました!
雨の日でも明るく豊かな空間です。
バックガーデンから裏の小路へ
抜けるアプローチです。
こちらのゲートを開けると裏の畑や
小川につながる小路に出られます。


小路からバックガーデンへ。 アプローチのタイルも方形の乱貼りに
するとまた異なる表情が出ました。
同じタイルでも貼り方によって
たくさんのキャラクターがでますね。
シンプルな水場はこの家を象徴しています。


牟田邸の工事もゲートやポストなど必要なもののみ設置が終わりましたのでひとまずこれで終了です。
この後はフェンスを取り付けたり木や花を植えたりと楽しいガーデニングのお仕事が残っておりますがこちらは住いながら少しずつ進めていかれればと思います。センスの良いお施主さまなので今後の変化がとても楽しみです。
これからも牟田邸のその後を皆様へご紹介させていただきますね。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。

2010年秋 荻野洋子



牟田邸その後:
先日牟田邸に遊びに参りました。お引越し後の牟田邸の様子をほんの少しご紹介いたします。

白い外壁のシンプルな外観
アンティークの扉を開けると広い
玄関ホールに導かれます。
こちらはシュークローゼットですが
とても楽しい使い方をなさっておりました。
お靴のための棚がおしゃれな
ディスプレイ棚に変身。
さっきまで小さなゆうひちゃんが
遊んでいた片鱗が見えます。
本やフレームの並べ方が何気なく見えて
とても洗練されています。


キッチンは見事に楽しく変身しておりました。 オープン棚のディスプレイも素晴らしく
パリのアパルトマンのキッチンのようです。
正面の3つの窓にはカーテン代わりに
フレームがセットされていました。
本当におしゃれでセンスの良い牟田さんです。
シンプルなプレートシェルフは特製でポタリーにて
製作させていただきました。
ここにもシンプルでセンスのよい食器が
何気なく置かれております。
洗面所も当初から予定していたチェストが
すっきり納まりお手製のカーテンとともに
美しい空間を作っていました。


雨の日も晴れの日も大活躍の
コンサーバトリィ。
窓にはクリスマスのディスプレィが施され
牟田邸の楽しさを演出しています。
どこを撮っても絵になりますね。 コンサーバトリィからホールへ。 ホールからコンサーバトリィへ。
ホールを中心にインドァのLDとアウトドァの
コンサーバトリィへ分かれています。


リビングのひと隅に作られたアルコーブの
スペースは小さなソファが置かれた
読書スペースになっておりました。
マントルピースの上もシックで大人っぽい
ディスプレィが施され本当に素敵です。
主婦の家事室兼アトリエです。カ
ーテンの掛け方にセンスの良さがみえます。
子供室の可愛さにびっくり。
この天蓋はもちろん牟田さんのお手製です。
夢いっぱいの女の子のお部屋ですね。


パントリィ内の洗濯機など見せたくないものを
カーテンで隠しております。
カーテンの全てをお見せできないことが残念です。
色具合、丈具合など全てに心配りがされておりました。
パントリィからホールへ。
アンティークガラスがフレームとなり
正面がきれいにみえるように配置されています。
ホールのアルコーブに掛けられた
お洋服もさりげなくて粋ですね。
こんな小さなものにも心配りされており
感激でした。
子供室のピンクの壁に切り張りされた
紙の枝のオブジェです。
ほーっと感心いたしました。

牟田さんと家作りという仕事をしている1年間に牟田さんのセンスの良さやアイディアにいつも敬服しておりました。
ハウス オブ ポタリーは牟田さんといっしょにシンプルで美しい箱を作らせていただきましたがその箱を様々に変化させていくのはお施主様の力次第です。
訪ねるたびに驚きと喜びを感じる牟田邸のこれからが本当に楽しみです。




2011年1月
牟田邸その後A
お訪ねするたびに暖かくおしゃれに変身しております。
入口に置かれたボードと黒い花の入った
ポットがシンプルでおしゃれな
アプローチを象徴しています。
コンサーバトリィでお茶をいただきました。
明るくて暖かくて快適です。
コンサーバトリィからホール。
広々として開放感があります。
ホールもシンプルですが選ばれた
家具や小物が設置されていました。
こちらはアンティークの郵便ポストです。
かつてはパリのアパルトマンの1階ホールに設置されていたものですがが今は牟田邸のホールで活用されています。
何気ないディスプレイが粋ですね。

今後の変化が益々楽しみな牟田邸です。