October 2015

10月のインテリアレポート:

10月のインテリアレポートは灯りの効果についてです。夜が長く室内で過ごす時間が多くなるこの季節。
インテリアの脇役としての照明を効果的に使うことでゆったり過ごせる快適な空間を作れます。
高価な器具がなくても電球だけでも位置や向きに注意をすれば素敵な演出ができますね。
皆様もぜひお試しください。

2015年10月

荻野洋子



   明るすぎる光はモノをにぎやかに見せるためお部屋のインテリアにとっては逆効果です。夜は控えめな灯りで
モノの陰影を楽しみましょう。
    広い壁には壁付けの
ブラケットがお勧めです。
壁面を照らすことでお部屋がより広く見え、
壁から落ちてきた光は
明るさが半減した分やさしさが倍増します。
     壁際に置かれたデスクスタンドは
手元と天井の両方を照らします。
これも部屋を広く見せるテクニックです。
    壁付けのブラケットにシェードを
つけるだけで灯りを一ヶ所に
集中させることができます。
ソファに座る人が明るさを独占
できるように配慮がされた形ですね。
 
   フロアスタンドは間接照明の王道を
行く器具ですね。
稼動できるので必要な場所に
移動をし明るさを楽しむことができます。
     手元灯として小さめのペンダントライトを使うのもおしゃれな演出です。      灯りがこれほど暖かく見えるのは
黄色いウィンドウシェードのおかげです。
このように光が当たったときの
反射光を意識して壁やカーテンの色を
選ぶとお部屋のイメージが
色によって一新されます。
     同じお部屋を朝の光で見ました。
白い昼光色により部屋の印象が
変わりました。
光による陰影が薄れて
色も深みがなくなりましたね。
 
   赤のダイニングルームの明かりを
電球ひとつで決めています
暗すぎる印象がありますが
手元灯にキャンドルなどで工夫をすれば
落ち着いた空間になること請け合いです。
適度な暗さがお食事時の
会話を弾ませます。
     広い窓に面した廊下のような空間は
パリの有名な本屋さん、
Merciのカフェコーナーです。
窓側と書棚側にテーブルが
配置されています。
照明器具にシンプルなペンダントライトを使っているのが印象的でした。
スポットライトでないところがさすがに
おしゃれだなと感心しました。
     マナーハウスの廊下は広い中庭に
面して伸びています。
高い天井からペンダントライトの灯りがやさしく大理石の床に降り全体の印象を
重厚に見せています。
もしここに明るい蛍光灯がついていたら
空間が台無しになったことでしょう。
     北向きのダイニングでは灯りが一定なため
テーブルが落ち着いて見えます。
明るすぎないことは人が集まる場所では
大切なエレメントとなります。
 
   スリットのような縦長窓の前に
テーブルライトを置く。
これもおしゃれな演出方法です。
外から見たときに室内がきれい
に写るからです。
少しくらい片付いていなくても
不思議と乱雑に見えないのは
光のマジックですね。
     V&A(ビクトリア&アルバート美術館)内の
モリスカフェ。
天井がとても高いので大きな
ペンダントライトが映えます。
球体のライトから落ちる
反射光が室内を落ち着いた空間に
見せています。
いつも人々でにぎわっているのに雑然と見えないのも光が直接光でなく床に届くまでに半減しているからです。
つまりちょっと暗めということですね。
     灯りは照明器具からばかりでは
ありません。薪ストーブの灯りは
明るさだけでなく
暖かさも届けてくれます。
これほどやさしい灯りはありません。
     外灯の位置はドアのすぐ横でなく
少し離したほうが空間を一層明るく
見せてくれます。
光が拡散しモノに当たって反射するからです。黄色い柔らかな光は訪れる者たちを
歓迎する一番の演出です。
 


照明へのちょっとした工夫でお部屋の印象はがらりと変わります。
仕事をするオフィスや作業をする場所ではモノに影ができないフラットな蛍光色が好まれます。
でも人が集まり会話を楽しむ空間では
陰影のできる黄色い光(電球色)のほうがお部屋を素敵に見せインテリアを美しく演出してくれるので電球色がお勧めします。
照明も適材適所で考えて使い、工夫をすることでエネルギーの削減にもなり地球に優しい暮らしの実現につながりますね。




Top Page→